異型肺炎

異型肺炎とは:激しい咳や熱などの肺炎を疑わす症状があるのに、胸部の聴打診所見に乏しく、白血球も増加していない。しかし、胸部レントゲン写真を撮ると肺炎の所見を認めるものを従来の肺炎とは違うものということで、異型肺炎と分類します。
原因マイコプラズマ(マイコプラスマ科に属する細菌で細菌の中ではもっとも小さい)によるものが30ー50%、その他クラミジアによるものやウィルスによるものなどがあります。
疫学:マイコプラスマ肺炎は、通常5歳以後、10〜15歳の子供に多くみられます。4年毎(オリンピックの年)に流行すると言われていましたが、最近は毎年、季節にも関係なく見られるようになりました。感染力は弱いのですが、家庭内感染や再感染が多いのも特徴の一つです。夏から秋にかけて多く、潜伏期間は2〜3週間。病原体の排泄期間は4〜8週と考えられています。
症状:マイコプラズマ肺炎では発熱と咳が特徴で、咳は頑固で長期間続きます。下痢や嘔吐などの胃腸症状や発疹 がみられることもあります。咳のわりに胸部聴診所見は悪くないことが多いため、小学生以上の小児で発熱と頑固な咳が続いているときはマイコプラズマ肺炎を疑います。
診断:マイコプラズマ肺炎の診断はレントゲン検査と血液検査で行いますが、血液検査では、ほとんどのケースは白血球は正常か少し増加する程度で、炎症反応もそれほど強くありません。マイコプラズマ抗体の上昇が見られて初めてマイコプラズマ肺炎と確定することができます。
治療:ペニシリン系やセフェム系の抗生剤は無効で、マクロライド系やテトラサイクリン系の抗生剤が著効します。症状が強いときは入院治療が必要となることがあります。
家庭で気をつけること:しっかりなおしておかないと再燃する事がありますので、抗生物質の内服は指示通りに行いましょう。