流行性嘔吐下痢症(感染性胃腸炎)

嘔吐と下痢が突然始まることが特徴の疾患で、ほとんどがウイルスによる腸管感染症です。
病原体:主としてロタウイルス、ノロウイルス、時に腸管アデノウイルスです。
潜伏期間:1〜3日
感染経路(発生時期):主として経口感染ですが、飛沫感染も重要と考えらています。貝などの食品を介しての感染例も知られています。糞便へのウイルス排泄期間は症状がある期間と考えられます。ロタウイルス、ノロウイルスは冬季に多く、アデノウイルスは年間を通じて発生します。
症状:嘔吐と下痢が主徴であり、時に下痢便が牛乳のように白くなることもあります。2〜7日で収まりますが、脱水症状に注意を要します。
罹患年齢:ロタウイルスやアデノウイルスによるものは乳幼児が多く、ノロウイルスは幼児と小学生に多く見られます。
治療方法:対症療法で中心となります。とくに脱水症に対応することが重要です。
予防方法:特に有効な方法は知られていません。一般的な予防方法を励行してください。
登校基準:ウイルス性腸管感染症は、症状のある間が主なウイルスの排泄期間であるため、下痢・嘔吐症状から回復した後、全身状態のよい場合は登校可能です。
家庭で気をつけることはき気が強い間はしばらくは何も飲ませないようにします。はき気が落ち着いてきたらイオン飲料・湯冷まし、番茶などの水分を少しずつ慎重に与えるようにします。下痢に対しては、便の様子を見ながら、消化の良い食べ物を少しずつ与えていきます。下痢・嘔吐がひどい時には、入浴はひかえましょう。