RSウイルス感染症

RSウイルスは、呼吸器官に、とりつくウイルスです。乳幼児の気管支炎や肺炎をしばしばおこす病原体です。

疫学:毎年、秋から冬にかけて流行を繰り返しています。大きくAグループとBグループに分けられますが、型が多種類あり何度でもかかります。乳児から大人までかかります。
症状:咳、鼻水、発熱などです。ぜんそく発作のような呼吸困難になることもよくあります、1週間以上かかることがしばしばです。
診断:鼻汁での迅速診断キットがありますが、保険適応は入院の3歳未満児のみです。
年長児や大人は鼻汁検査で分からないことも多く、血液検査も必要になるようです。
合併症:未熟児、新生児では、無呼吸発作、肺出血などです。乳幼児では、細気管支炎、肺炎などをおこし重症化することがしばしばあります。脳炎脳症、副鼻腔炎、中耳炎も知られています。「気管支ぜんそく」との係わりも深いようです。
治療:日本では、抗ウイルス薬の治療は行われておりません。抗生物質は効きません。対症療法となります。重症な場合は入院が必要です。
予防接種:ワクチンはまだ開発されていません。モノクローナル抗体を用いた予防注射はあります。完全に予防はできませんが、重症化を防ぐ効果があります。効果は約1月間です。非常に高価ですが未熟児などのハイリスク児には保険適応が認められています。
家庭で気をつけることマスクと手洗いの励行をお願いします。乳幼児の場合は発熱がなくても重症のことがあります。呼吸状態、哺乳状態に気をつけてください。